中川工務店
RENOVATION IN ATAMI
制約を美に昇華した、熱海の別荘リノベーション。
建築家・彦根 明氏、インテリアコーディネーター・大場 渚子氏、
中川工務店が織りなす、記憶と美意識が交差する上質な空間の記録。
イタリア・ミラノの築約300年のパラッツォで暮らした経験を持つインテリアコーディネーターの大場渚子氏が、熱海に眺望抜群の物件を購入し、中川工務店の施工でリノベーションを行った。実家から受け継いだ大切な家具や蚤の市で見つけたアンティーク品などを巧みに組み合わせ、新しいものをほとんど買い揃えることなく、記憶と美意識が交差する上質な空間を生み出した。
太平洋を望む高台に完成した空間を、写真で辿る
建築家の仕事は、白紙のキャンバスに絵を描くことだけではない。むしろ、すでに存在する構造物の「声」に耳を傾け、その可能性を最大限に引き出すことにこそ、真の設計力が問われる場面がある。熱海の高台に建つ別荘のリノベーションプロジェクトは、まさにそのことを体現した好例と言えるだろう。
このプロジェクトの出発点は、築十数年のツーバイフォー構造の住宅だった。外観はレンガ調と木目調のサイディングがツートンで貼られ、内部は病院の廊下を思わせる殺伐とした通路、扉が不規則にずれて並ぶアンバランスさ、そして広すぎて落ち着かないリビング空間。傷みがひどいわけではないが、空間としての魅力に乏しい状態だった。
改修は新築とは全く別物です。新築ならテーマに向けて形態をまとめていけますが、改修は元の建物の構造や設備的な条件に縛られます。特に今回はツーバイフォー構造で、壁を自由に取り払うことができないという制約がありましたが、その制約を「生かさない手はない」と考えました。元の図面を精査し、大工さんと共に壁を壊して中を確認しながら、構造的にギリギリまで攻める。制約をどうデザインの"肝"に昇華させるかが、今回の設計の主題でした。
もとはツートンのサイディングだった外観。焼き杉の板張りへと全面的に置き換えられ、黒一色でまとめられている
改修設計の醍醐味は、既存の空間を全く異なる用途や雰囲気へと変換することにある。今回のプロジェクトでは、かつて病院の廊下のような殺伐とした印象を与えていた通路空間を、印象的な回廊へと変貌させた。
元の廊下は、まるで病院のように殺伐とした、取り留めのない場所でした。さらに、構造上の理由でどうしても「垂れ壁」が必要になり、それが視覚的なノイズになっていたのです。そこで、両側から半アーチのリブを交互に出す提案を行いました。これにより、左右にずれて並んでいた扉の違和感を払拭し、リズム感のある空間へと変貌させています。大場様がアーチをお好きだったこともあり、機能的な解決策をそのまま象徴的なデザインへと繋げることができました。
また、かつてトイレが置かれていた場所を移動させ、玄関からリビングへの動線を一直線に整えたことも大きな変化をもたらした。玄関土間から外のスロープまで同じタイルを連続させることで、空間を導く"レッドカーペット"のような視覚的な軸が生まれ、訪れる人を自然と奥へと誘う構成となっている。
この家のテーマともいえる印象的な廊下。左右交互に半アーチのリブを連ねることで、扉の位置ずれも気にならないエレガントなデザインに仕上げている
廊下の一角を利用した書斎スペースも見どころのひとつだ。扉で完全に仕切るのではなく、本棚をスクリーン(間仕切り)として交互に配置。プライベートな"こもり感"を出しつつも、正面の大きな窓から景色が抜ける設計に。外とのつながりを感じながらも仕事に集中できる、贅沢なワークスペースに仕上げている。
このプロジェクトで印象的な空間のひとつが、抜群の眺望を誇る広々としたLDKと、大きな窓を持つリビングの天井処理だ。
大場様からは、コーナーを窓にしたいという強い要望がありました。しかし、木造ではコーナーは構造上重要な場所です。そこで、大工さんと一緒に壁を壊して中を見ながら、補強方法を確認して「壁を取ることができるか」を現場で判断して決定しました。元図面が残っていたことで、とても助かりましたね。
天井まで届く大きな窓の設置も大場様の要望だった。しかし壁を壊して内部を確認してみると、ツーバイフォー特有のトラス構造(三角形の梁材が45センチピッチでびっしりと並ぶ)を支えるための太い梁が走っていることが判明した。この梁は絶対に撤去できない。つまり、窓の高さはその梁の下端までしか確保できないということを意味していた。
構造を見ていくと、どうしても取れない梁があり、垂れ壁が必要だと分かりました。普通は垂れ壁ができると残念に見えがちですが、そこを逆手に取って3次元的な曲面で構成して、弱点が"肝"に見えるようにしています。
垂れ壁を"残念な制約"として処理するのではなく、天井面をなめらかに湾曲させながら窓へと落とし込む曲面として昇華させ、制約が生んだ逆説的な美しさを持つ空間に仕上げている。さらに、カーテンレールを全室つなげてどこにでも寄せられる設計とすることで、インテリアコーディネーターでもある大場氏が、照明と組み合わせながら自在に空間を演出できる仕掛けも施されている。
構造上必要だった窓上部の垂れ壁は、天井をアーチ状の緩やかな曲面で下ろす設計の工夫で、デザインの見どころへと昇華させている
内部の変革と同様に、外観も大胆な刷新が施された。リノベーション前のツートンのサイディングは、焼き杉の板張りへと全面的に置き換えられ、黒一色でまとめられた。焼き杉という素材は、炭化した表面が防腐・防虫効果を持つ日本古来の知恵であり、黒いサッシとの組み合わせが洗練された印象を生み出している。
そして外観の最大のアクセントとなっているのが、鮮やかな赤い鉄骨柱だ。七畳半ほどの大きさを持つ大きなひさしを支えるこの柱は、構造的な必然から生まれたものでありながら、空間のシンボルとして機能している。
周辺の別荘地は、車を停めて急な階段を上る場所が多いのですが、ここは車で玄関まで寄せることができます。ご高齢のお母様にも来てほしいというご要望もあり、車椅子でも入れるように、スロープと段差の少ない動線を意識しています。"奥まで直線で行ける"というのは、コンセプトでもあり機能でもあります。
開放感と機能性、そしてご家族への配慮が一体となった設計思想が、ここに凝縮されている。
七畳半分もの大きな庇を支える鉄骨柱は、赤か金かで悩んだ末に赤を選択。構造上の必要から生まれた造形が、外観の印象的なシンボルになっている
彦根氏に、家づくりにおいて最も大切にしていることについておうかがいした。
一言で言えば、"住まう人の好みを掴み取ること"です。家づくりはオーダーメイドの服と同じで、着ている本人が嬉しくなければ意味がありません。言葉だけだとブレが生じるので、最近はSNSなどでイメージ写真を見ながら「この写真のこの部分が好き」という会話を重ねて、お施主様の感覚を徹底的に掴み取ることを重視しています。
また、土地の特性を活かすことも大切です。土地には必ず特性がありますので、その魅力を引き出すことを意識しています。何も望めない土地でも空は公平にあるため、空の取り入れ方次第で信じられない良さが生まれることもあります。
これから家づくりを考えている読者に、家づくりのアドバイスをお聞きした。
最近は"汚れにくい"・"掃除がしやすい"といった機能性だけで物を選びがちですが、本物の木に触れ、素材の劣化すら楽しむような感性を大切にしてほしいですね。また、プライバシーを重視するあまり、家族が顔を合わせずに済むような間取りが増えていますが、あえて"気遣い"が必要な空間を残すことも、豊かな暮らしには必要ではないでしょうか。不便さを楽しむ、あるいは関係性で解決する。そんな"人間らしさ"が宿る家が、本当の意味で豊かな場所になるのだと信じています。
今回のプロジェクトを可能にした背景には、確かな技術を持つ大工や職人の存在がある。彦根氏が憂いているのは、こうしたプロジェクトを実現できる大工や職人が急速に失われつつあるという現実だ。工業化・効率化が追求される中、機械でも作れるものしか扱えない大工や職人が増え、本物の技を持つ人材の活躍の場が狭まっている。
現在の住宅業界では、設計側が「こうしたい」と思っても、それを実現できる大工さんや職人さんの数が減っています。このような状況下で、中川工務店には"いい仕事ができる"大工さんや職人さんが集まっていることが、大きな価値になっていると思います。技を持った方々が正当に評価され、仕事が回る環境を用意することで、工業化・効率化の流れが進む中で、職人文化を守る役割を担っていると言っても過言ではないでしょう。
中川工務店のような存在があることは、日本が培ってきた世界に誇れるレベルの職人技の継承につながります。さらに、設計者が意図するディテールや難易度の高い表現を現場で忠実に施工できることが、結果として住まいの質の差になり、お客様の満足度を高めることにつながると信じています。
「実家で大切に保管していた家具を活かした家づくりをしたい」。それらの家具を、捨てることなくうまく活かせないかという思いが、このプロジェクトの原点となっている。
物件探しの条件もまた独特だった。眺望を最優先に熱海で物件を探し、気に入った場所を見つけたものの、購入を決断する前に2つ確認しなければならないことがあった。リビングの角にあった大きな壁を抜けるかどうか。そして、廊下をまっすぐ通すことができるかどうかという2点だ。
設計を担当した建築家の彦根明氏に相談し、構造上の問題がなければ購入するという条件付きで動いた。壁が抜け、まっすぐな廊下が可能と判明したその瞬間、このプロジェクトは動き出した。
築13年という、建て替えるほど古くもない物件をあえてリノベーションしたのは、場所への愛着と、持ち込む家具たちへの敬意があったからこそである。新しい空間に古いものを迎え入れるのではなく、古いものが自然と息づく空間を新たにつくり直す。そういった逆転の発想が、このプロジェクト全体を貫くテーマとなっている。
現場に行ったり、お客様と打ち合わせがある日以外は、CADを触ったり見積もりを作ったりすることが中心なので、インターネットさえつながれば、この場所で仕事はできます。あと、猫を飼っているのですが、猫と一緒に来られる場所は意外と少なくて。ここなら一緒に滞在できると思いました。
実家から持ち込んだ家具を中心に据えて構成されたLDK。空間のアクセントになっているテーブルはstoop製
空間デザインの核心にあるのは、アーチへの強いこだわりだ。その美意識の源泉は、かつてイタリア・ミラノで暮らした日々にある。
築300年ほどのパラッツォで暮らしていたのですが、現代建築が持つような直線的な四角い空間はほとんどありませんでした。アーチが連なる廊下、丸みを帯びた古いラジエーター、ガシャガシャと音を立てる昔ながらのエレベーター。そういったクラシックな要素が日常の風景として刻み込まれたことで、北欧系のシンプルモダンよりも、曲線と歴史を感じさせる空間に強く惹かれるようになったのです。クラシックというか、古いものが以前から好きだったということもあるのですが。
この家で象徴的な空間のひとつとなっているのが、廊下だ。もともとこの物件の廊下は複数の方向にずれており、一本の軸線が通っていなかった。彦根氏はその課題に真剣に向き合い、ずれていた廊下を一本にまっすぐ通した上で、アーチ状の開口部を連続させるデザインを提案した。施工を担当した中川工務店の職人たちが精度高く仕上げたこの廊下は、今やこの家の"テーマ"と呼べるほどの存在感を放っている。
図面で書くのは簡単かもしれませんが、職人さんはとても苦労されたと思います。本当に綺麗に作っていただいたので、すごく嬉しいです。
この家のテーマともいえる印象的な廊下。ずれていた通路を一本に通し、左右交互に半アーチのリブを連ねている
インテリアコーディネーターとしての仕事観が色濃く反映されているのが、この家の"余白"の使い方だ。カーテンレールは窓の形に合わせて設置するのではなく、部屋全体をぐるりと回るように取り付けられている。カーテンをどこに寄せるかは、その日の気分や光の入り方によって自由に変えられる。白いカーテンを引けば空間の雰囲気は一変し、照明との組み合わせによってさらに多彩な表情を見せる。
この"遊べる空間"という発想は、プロとしての哲学から来ている。インテリアを完全に作り込んでしまうと、住む人が後から手を加える余地がなくなる。特に外国人のクライアントが多いという仕事環境の中で、自分たちでDIYを楽しみながら空間を育てていくライフスタイルに触れてきた経験が、この考え方を強化してきた。大場氏には、完成した瞬間が最高点ではなく、住みながら変化し続けることができる空間こそが、本当の意味で豊かな住まいだという信念がある。
トイレの壁紙選びにも、この哲学が表れている。一般的に水回りは明るく白くという要望が多い中、あえてダークトーンの壁紙を選んだ。その出発点は、飾りたいシャガールの絵だった。
トイレは完全に私の趣味です。絵の雰囲気に合わせて、壁紙の方向性が決まりました。"壁紙から"ではなくて"絵画から"始まっています。
飾りたかったシャガールの絵に合わせて壁紙を選んだトイレ。ペーパーニッチも造作、床は洗面室と共通の大理石
この家で使われているものの多くは、新しく購入したものではない。イタリアで買ってきた大理石のタイルは、以前の家で使った余りを保管しておいて使用したものだ。リビングのソファは以前から使っていたもので、ゲストルームの調度品も実家に保管しておいたアンティークが中心となっており、祖母や母から受け継いだ着物も大切に保管されている。
こうした姿勢は、インテリアコーディネーターとしてクライアントに伝えたいメッセージとも直結している。新築やリノベーションの際、家具をすべて新しく買い揃えようとする人は多い。ソファ、ダイニングセット、テレビボードなどを一式揃えることで、確かに統一感は生まれるかもしれない。しかし、実家に眠っている古い家具や、長年使い続けてきた愛着のある品々を空間に取り込むことで、その家だけが持つ固有の物語が生まれる。
全部新しく揃えるのではなくて、実家にある古いものをうまく活かしたほうが、リノベーションも新築も"楽しくなる"と思います。もちろん、使えないものの選定は必要ですので、そこを一緒に見極めるお手伝いをしたいですね。
これは使えない、でもこれはカッコいいから使いましょうという取捨選択のプロセスを専門家と一緒に行うことで、思い出と美意識が共存する空間が生まれるだろう。
実家から受け継いだ大切な家具を配した和室。市松模様の畳が印象的なゲストルーム
インテリアコーディネートにおいて最も重要なのは、部屋ごとのデザインではなく、家全体のトータルバランスだという考え方がある。施主は往々にして、リビングはこんな雰囲気、寝室はこんな感じというように、部屋ごとのイメージを持ってくる。しかしそれぞれを個別に実現しようとすると、家全体として見た時に統一感が失われ、どこか落ち着かない空間になってしまう。
特に難しいのが、夫婦間で好みが異なるケースだ。例えば、妻はメルヘンな雰囲気を好み、夫はシンプルモダンを好むというケース。そのまま両方の要望を取り入れると、家の中がバラバラになってしまう。
奥様の意見と、お金の管理をするご主人様の意見が違うケースは多々ありますね。どちらを立てるかは、会話をしながら確認します。黙っていたご主人様が最後の最後に反対することもありますので、こちらから全員分のニーズを丁寧にヒアリングして、要望を把握した上で、プロとしての提案を行うというプロセスを大切にしています。個室は好みを反映させてもよいと思いますが、LDKや廊下などの共用部分はお互いの意見をすり合わせないと家全体の心地よさが崩れてしまうので、特に注意が必要です。
どれほど優れたデザインも、それを実現する職人の技術なくしては成立しない。大場氏が中川工務店を指名した理由は、監督のしっかりした管理体制と、大工の高い技術力にあった。業界内での評判を以前から知っており、神奈川エリアでの施工実績も豊富で面識もあったことから、安心して任せられると判断した。
実際に完成した空間を見て、その判断が正しかったことが確認された。ずれていた廊下を一本に通し、連続するアーチを精度高く仕上げるという難易度の高い施工を、ほとんど手直しが必要な箇所なく完成させた。
施工がとても丁寧で、細かいところもきちんと仕上げてくださいました。「ここを直して欲しい」という箇所がほとんどありませんでした。
工務店との関係において大切なのは、コミュニケーションを面倒くさがらないことだと強調する。
してほしいことと、受け取った側の認識がずれることは珍しくありません。工事の途中であっても、気になることや変更したいことがあれば、遠慮せずに早めに伝えることが重要です。完成後に「やっぱり違った」となってからでは、修正のコストも手間も大きくなってしまいます。
施主とプロが対等にコミュニケーションを取り続けることが、理想の空間を生み出す最短ルートと言えるだろう。
LDKを囲むように広がるウッドデッキ。大きな窓と組み合わせることで、室内と屋外がひと続きの空間となった
熱海の高台に完成した別荘は、晴れた日には太平洋を一望できる。花火大会の時期には、ウッドデッキから打ち上げ花火を眺めることもできる。愛猫と一緒に長期滞在し、仕事をしながら、料理を作りながら、ワインを飲みながら、この景色を楽しむ。そんな暮らしのイメージが、リノベーションのすべての判断の背景にあったはずだ。
古いものを大切にするという姿勢は、単なる節約や懐古趣味ではない。時間をかけて選ばれ、使われ続けてきたものには、新しいものにはない固有の価値がある。それを見極め、新しい空間に自然な形で組み込む技術こそが、インテリアコーディネーター・大場氏の真骨頂だ。
今後大規模なリノベーションをすることはないと思いますが、もう少し飾り付けを楽しみたいですね。
ミラノの記憶、実家の家具、蚤の市のアンティーク、そして熱海の眺望。さらに、建築家やインテリアコーディネーターの豊富な知識や経験、中川工務店の腕利きの職人の技が一つの空間に溶け合い、唯一無二の住まいが完成した。

EXTERIOR — 01
焼き杉の板張りを用いて、全体を黒でコーディネートした外観。もとはツートンのサイディングだったが、建築家・彦根明氏の提案で重厚感のある佇まいへと生まれ変わった。

ENTRANCE — 02
七畳半分もの大きな庇を支える鉄骨柱は、赤か金かで悩んだ末に赤を選択。吹き上げ風に耐えるための構造上の必要から生まれた造形が、外観の印象的なシンボルになっている。

DECK — 03
大人数でのパーティも可能な、LDKを囲むように広がるウッドデッキ。大きな窓と組み合わせることで、室内と屋外がひと続きの空間となった、圧倒的な眺望が存分に楽しめるスペース。

AERIAL — 04
緑豊かな尾根の先端に建つ別荘を、上空から見下ろした様子。周囲の斜面を活かし、デッキを高床で張り出すことで、眺望を最大限に取り込んでいる。

LIVING — 05
窓割りを一新し、光の入り方や機能性を高めたリビング。ペンダントライトはトイレに使用したライトと同一メーカーの異なる品番を組み合わせた、こだわりの一品を採用している。

LDK — 06
抜群の開放感を誇る広々としたLDK。カーテンレールは窓の形にとらわれず連続してつながり、その日の気分や光の入り方に合わせて自由に位置を変えられる。空間のアクセントになっているテーブルはstoop製。
床と壁紙は、面積が大きいのでコストへの影響が大きいです。床は「絶対に木がいいのか」「最近の精巧なプリントでもいいのか」など、好みと予算のバランスを最初に決めておくといいと思います

LIVING & CORRIDOR — 07
廊下とつながる開放的なLDK。床のタイルはレッドカーペットのようにリビングとダイニングキッチンを緩やかに分節する。赤いカーテンは意匠性に加え、断熱効果も兼ねて採用した。
個室は好みを反映してよいと思いますが、LDKや廊下などの共用部は、家族の意見をすり合わせないと家全体の心地よさが崩れますので、よく話し合っていただきたいですね

CORRIDOR — 08
この家のテーマともいえる印象的な廊下。もとはずれていた通路を一本に通し、左右交互に半アーチのリブを連ねることで、扉の位置ずれも気にならないエレガントなデザインに仕上げている。

DINING — 09
キッチンとひと続きの伸びやかな空間。構造上必要だった窓上部の垂れ壁は、天井をアーチ状の緩やかな曲面で下ろす設計の工夫で、デザインの見どころへと昇華させている。絵画の下にあるのが、ミラノの蚤の市で購入したテーブル。

KITCHEN — 10
框扉がエレガントな、クチーナ社製のキッチンが目を引く空間。ワインセラー付きの大型冷蔵庫は、ワイン好きであることに加え、買い出しの回数を減らすために採用。モザイクタイルは熱海の海をイメージしたもの。エアコンは目隠し板で覆って空間に溶け込ませている。
ガスコンロも、収まりを考えながら使いたかった機種を採用しました

TOILET — 11
大場様の好みを反映して、あえて暗いトーンにまとめたトイレ。飾りたかったシャガールの絵に合わせて壁紙を選び、ペーパーニッチも造作。大理石の床は洗面室と共通のものを用いている。壁紙ではなく絵画から始まった空間。

WASHROOM — 12
ゆったりと使いたいという思いから、広めのスペースを確保した洗面室。収納は造作でタオル類がすっきりと美しく納まり、丸鏡から伸びる真鍮のタオルハンガーもさりげなく個性的なアクセントを添えている。

CORRIDOR TO STUDY — 13
大場様の部屋へと続く動線に造作の本棚を設置することで、奥にある書斎にこもり感を創出。実家から持ち込んだ器や絵画などが飾られ、思い出が自然と空間に溶け込んでいる。

STUDY — 14
以前は廊下だったスペースを、書斎へと変更。本棚を仕切りとして使い、扉を設けないことでほどよいこもり感を保ちながら、大きな窓から景色へと視線が抜ける開放感も両立している。

BEDROOM — 15
眺望が楽しめる大場様の寝室。飾られた猫の絵は実家から受け継いだもの。壁の下部にはアーチ形の猫穴が設けられ、大切な愛猫と一緒に暮らすための工夫を施している。
できればウォークインクローゼットは広く取った方が便利です。寝室は"寝るだけ"でもいいので、収納を充実させたほうが生活は楽になります

MASTER'S ROOM — 16
造作のカウンターと壁一面の大容量収納を設えたご主人の部屋。エアコンを目隠し板で覆うことで、木の質感を活かしたすっきりとした佇まいにまとめている。

JAPANESE ROOM — 17
実家から受け継いだ大切な家具を配した和室。市松模様の畳が印象的なこの部屋は、ゲストルームやお母様が訪れる際の部屋などとして使われている。

BATH — 18
パノラマビューが楽しめる場所にあったことから、もとの造りをほぼそのまま活かした浴室。大きな窓の外には太平洋の絶景が広がり、湯船に浸かりながら開放感を存分に味わえる。

SHOES IN CLOSET — 19
玄関横に配置した、ウォークスルーのシューズインクローゼット。床は洗面室やトイレと同じ大理石で統一。アウターやバッグ類も収納できる使い勝手がよいスペース。
新築でもリノベーションでも、家づくりは「オーダーメイドの服」と同じ。
住まう人の好みを掴み取ることから、すべては始まります。
まずは、あなたの物語を聞かせてください。